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最初の入場券で行くべき5か所の名所

近年日本人旅行者が増えているベトナム中部のダナン。今後もリゾートエリア及び世界遺産都市としてますます注目されることでしょう。今回紹介するのは、ダナン近郊の世界遺産ホイアンの観光情報。

ホイアン旧市街に入場する際は、5か所の名所を巡れる入場券を購入する必要があります。旧市街には全部で20か所以上の名所があるので、その中で5か所を選ぶのはなかなか迷うものです。そこで、今回は筆者がおすすめする最初の入場券で行くべき5つの名所をご案内します。

① 最初に行くのは廣肇会館

DSCN0050.jpg中国の歴史に触れてみる

まず最初に訪れてほしいのが、こちらの「廣肇会館」。同じく同人会館の「福建会館」でもいいのですが、廣肇会館には観光の象徴ともなっている九頭竜の像があり、こちらは必見。内外観はまさに中国の雰囲気一色。

華やかな支柱や装飾。渦巻の線香、いたるところにうかがえる中国漢字など、古くからホイアンと中国が深いつながりを持っていたことが分かります。

IMG_2101.jpg九頭竜の像

九頭竜は日本でも伝説の龍として知られています。数々の伝説に登場しますが、有名どころではヤマトタケルが対峙する「ヤマタノオロチ(八岐大蛇)」ですね。ベトナムでも九頭竜の伝説は伝えられていて、メコンデルタ地方は9つのメコン河の支流からなることから、「九龍(クーロン)」とも呼ばれています。

廣肇会館は中国所縁のさまざまな見どころがあるので、会館(お寺)の中でも優先順位は高め。必ず立ち寄ってほしいところです。

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② 旧家の一押しは進記家

DSCN2211.jpgどこか日本らしい

こちらは旧市街の中心に建つ旧家「進記家」。200年の歴史を誇り、現在は7代目が家を管理しています。1985年に初めて文化省により文化遺産登録された場所でもあります。

日本と中国、ベトナムの建築様式を持ち、確かにどことなく日本の古い家といった趣です。日本語で書かれた旧家の概要を読むことができるので、ガイドの説明がなくても大丈夫。

DSCN2228.jpgよく間近で見てみると......

各支柱には中国漢字が描かれていますが、こちらをよく間近で見てみると、御覧のように小鳥で文字を形成されていることが分かります。このようなちょっとした技巧は実に中国らしくもあります。

ちなみに建築資材は木材とレンガの二層構造。夏は涼しく、冬は暖かさを維持することができると考えられていました。

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③ 貿易陶磁博物館で日本との繋がりを感じる

DSCN0522.jpgなかなか美品を見つけるのは難しいか......

貿易陶磁博物館は別名シルクロード博物館とも呼ばれていて、ホイアン全盛期の交易のルートが示された地図や、交易相手国を知る"手がかり"が保存されている博物館です。

当時は日本だけではなく中国やオランダなど世界各国の交易船が、ここトゥボン川にやってきました。その中でも目を見張るのが日本との関係。当時は日本の朱印船が度々ホイアンにやってきました。

IMG_2129.jpg日本との関係を占める絵

博物館に展示されているこちらの絵。描かれている人物はどうやら日本人のようですね。江戸時代初期の様子ですが、こちらも交易品としてホイアンに持ち込まれたようです。ちなみに、長崎の博物館にはホイアンの様子が描かれた絵が展示されています。

当時のホイアンには約1000人以上の日本人が暮らしていたとされています。ランタンやカオラウ、建築技術が持ち込まれたのもそのころのようです。日本とホイアンの繋がりをくっきりと示すこちらの博物館は、マストで行ってほしいところ。

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④ 筆者一押しの穴場名所。潮州会館

DSCN0795.jpg外観。古めかしい様子が歴史深い

1~3の名所はホイアンのガイドブックや観光情報サイトにもクローズアップされて紹介されている王道的な名所。こちらの「潮州会館」は、知名度はあまりありませんが、筆者が自信を持っておすすめしたい穴場の名所となります。

潮州出身の中国人が開いた同郷会館という点では他の会館と一緒ですが、内部には海難の神や不死鳥の鳳凰といった道教の神や中国の創世神話の神が祀られています。

DSCN0849.jpg日本人女性の彫刻

神々の傍には、彫刻の大きな作品が展示されています。魚や人、木々や動物、雲などが緻密に再現されていますが、これは人間界と天界を描いた壮大なスケールの世界。その人間界にうかがえる彫刻がこちら。

パッと見て分かるように、明らかに髪を結った日本人女性。中国の作品にこのような形で日本人が登場するのは貴重。日本と中国、ベトナムが当時友好関係にあったことを示しているのではないでしょうか。

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⑤ ホイアンの象徴、日本橋は必須

DSCN0061.jpg日本橋。緩やかな曲線を描く

チャンフー通りとグエンティミンカイ通りの二つの目抜き通りを繋ぐ日本橋。数年前まではチケットなしでも入れましたが、ここ最近は監視が厳しくなって、ゲート傍で係員が待機しています。

日本橋は1593年に建てられた屋根付きの橋。名前から察する通り、日本人が設計したとされていて、ホイアン旧市街の中心に位置します。ベトナム紙幣の2万ドン札にも描かれているほどなので、世界遺産の中でも取り分けシンボル的存在であることがうかがえます。

DSCN1479.jpg猿の像

日本橋は15メートルほどの短い橋で、見どころとなるのは少なめ。中央から見えるバクダン通りとトゥボン川はしっかりと写真撮影しておきたいところです。

また、出入口にある猿と犬の像は、「申年に建築がはじまり、戌年に完成した」ことを意味しています。

最初の入場券で行くところはしっかりと事前に決めておこう

2018年現時点で入場券は12万ドン。入場券は5つの名所を回れるチケットがついています。もし6つ行きたければ、もう一枚購入しなければなりませんので、多くの旅行者は5つに収めようとしています。

一枚の入場券でホイアン観光をする場合は、日本にいるうちから情報を集め、どの名所に訪れるかは決めておくといいでしょう。

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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