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ホイアンで九頭竜を見学!「廣肇会館」

世界遺産のホイアン旧市街を観光する際は、最初に5枚綴りの入場券の購入が必要です。言い換えれば、旅行者は5つの観光スポットを選んで見学することができます。

限られた5つのスポットを選ぶ際は、やはり歴史風情漂う場であったり、景色がいいところ、インスタ映えするようなスポットに足を運びたいところです。そこで、今回は写真撮影もできて、歴史も感じられる「廣肇会館」をご紹介します。

アクセス

IMG_1889.jpg廣肇会館の正門

廣肇会館は日本橋のあるチャンフー通りを歩いて、一番最初に訪れることができる集会所。徒歩1分程度で行くことができ、また御覧のようなド派手な門構えなので見落とすこともありません。

上述したように、会館に入る際は入場券が必要となります。門の傍で係員がチケットを切っているので、入場するときに渡してください。またここで買える線香は会館奥の祭壇で供えることができます。一般観光客も自由に参拝できるので、是非記念にやってみてください。

中国人のための同人集会所

DSCN0012.jpg中華系寺院でよくある螺旋線香

たくさんの螺旋線香が頭上を取り巻くのが中国系寺院の特徴。こちらの廣肇会館は、広州と肇慶出身の中国人によって建てられた同人の集会所。

現在でもホイアンに暮らす華人の同郷の人たちが集い、敷地内でお茶を飲みながら談笑したり、中国将棋に興じたりしている様子がうかがえます。

DSCN0022.jpg海難のお守りは交易時代は特に重要視されたのであろう

敷地内は装飾や絵画、模型などすべてが中国色に染められています。また、ホイアンは昔の交易の中継地点。どの集会所にも決まってあるのが「商売繫盛」と「海難のお守り」です。

写真上のこちらは「一帆風順」。簡単に訳せば、風(運)が来たら満帆になるから安心するべし、といったもの。日本ではあまり使われない四字熟語でどちらかというと「順風満帆」が似たような意味で表現されますね。

三国志のあの武将も登場!

DSCN9996.jpg三国志のお馴染みの登場人物

凛々しい馬に跨り大きな太刀「青龍偃月刀」を携えたこちらの中国武将。彼は三国志でもお馴染みの「関羽」です。

関羽は中国南部及び南部人が多く暮らすベトナムにおいては、神格化されて、このような集会所、寺院、廟において信仰の対象となっていることが珍しくありません。

DSCN0027.jpgこちらも関羽

祭壇には関羽がこのように祀られています。関羽は死後神格化され、関聖帝君の名で崇められています。関羽といえば一騎当千の闘将のイメージが強いですが、実は商売上手としても知られていて、神格化された関羽は、商売繁盛の神とされています。

ちなみに、廣肇会館では関羽と並んで祀られているのが「天后聖母」。こちらは道教の女神であり最高神。関羽は同格に等しいとみなされているようです。

裏庭に佇む九頭竜の像

IMG_8699.jpg裏庭は庭園のようになっていて美しい

脇の廊下を抜けて裏庭へ足を運ぶと、そこに広がるの美しい庭園風景。日本の京都で見かけるような歴史情緒溢れる様子で、記念撮影のスポットとしても人気です。

DSCN0043.jpgまるで日本の京都のようでもある

庭園には静かに小川が流れ、赤い橋が架かり、当たりには趣のある盆栽がいくつも並んでいます。こちらにも関羽が描かれた大きな絵画があり、観光客が写真撮影することができます。

そして、廣肇会館で最も注目してほしいのがこちらの「九頭竜」。

DSCN0037.jpg間近で見ると相当の迫力がある

九頭竜と言えば、日本でも数々の伝説が残っている龍。日本において最も有名なのはヤマタノオロチですね。龍はもともと中国が発端で、日本や朝鮮、アジアの一部に伝播していきました。

廣肇会館に飾られている九頭竜はタイルと陶器で緻密に作られた迫力ある像。溜池の中央に安置され、絶好の撮影スポットとなっています。ちなみに、ベトナムは上空から見ると昇竜のような国土をしており、ベトナムの人々は創生神話から龍の祖先だと言われています。また、国際河川のメコン川が流れるメコンデルタ地方には、9つの支流が蛇行し手流れていることから、「クーロン(九龍)」とも呼ばれています。

ホイアンとベトナムの歴史が詰まった廣肇会館

廣肇会館はホイアン旧市街で最初に訪れたいスポット。迫力のある九頭竜や見渡す限り広がる中華世界に当時を映してみてください。きっとこの後のホイアン観光も楽しめることでしょう。

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名称:廣肇会館
住所:176 Tran Phu St.
営業時間:7:00~17:30

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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