世界遺産のホイアンは中部旅行者に一押しの人気エリア。古き良き旧家や同人集会所が並び、旅行者は16、17世紀にタイムスリップしたかのような感覚を楽しめます。
今回紹介する「福建会館」は、町の中心部に建つ集会所。数多くある観光スポットの中でも、とりわけ注目度が高い場所となるので、必ず押さえておいてください。
アクセス
福建会館の外観。ホイアン市内の中では最も華やか福建会館の場所は日本橋を起点に西へと走るチャンフー通り沿い。日本橋から歩いて5分程度。大きな門を持ち、中国色強い派手な装飾があるのが福建会館。同じ通り沿いに「廣肇会館」もありますので、間違わないようにしてください。
また、福建会館を見学する際は、入場チケットが必要となります。まだ購入されていない方は、事前に入手しておかなければなりません。
中国人のための集会所
中国らしい龍の装飾ホイアンの会館は寺院と集会所の両方の機能を併せ持った場となります。利用するのは主に中国人及びこの地に暮らしている華人の人たちで、午前中や夕暮れといった過ごしやすい時間帯は、敷地内のベンチやテーブルで家族、友人たちと談笑をしている様子をうかがうことができます。
また、奥には祭壇があり、神も祀られているので寺院としても利用可能。ちなみに同人会館はどこの国にもあります。ベトナムに住んでいる日本人も、「〇〇県人会」という名のサークルをつくって、時折同郷が集まって食事や会話を楽しんでいます。
華やかな中華世界が広がる
曲線を描く屋根と広い庭園ホイアンでは昔から交易時代に至るまで、そのほとんどが中国を宗主国とした時代をおくっていました。当然のことながら多くの中国人がホイアンや中部に移住したのですが、中には中国の習慣に倣って同郷の人たちが集まる会館を作った人もいます。
福建会館もその一つ。福建省出身の中国人がこの地に移り住んだときに造り、現在は8代目が会館を継いでいます。
右から読むのが日本とは逆敷地内はどこを見ても中華世界を見ることができます。日本では西洋文化が入ってきたときに左から右へと書き方が移行しましたが、中国圏ではまだまだ漢文を書くときは右から左。こちらも異文化を感じる一端ですね。
獅子の石像。堂々と立つ狛犬に似たこちらの獅子の石像。中国の唐獅子に由来しています。現在ではベトナム全国で見ることができ、中国系か否か問わず、旧家や廟、寺院などに置かれていて、ベトナム人の職人も多数います。
獅子の石像は知恵、権力、尊厳を表現しているため、かつては皇帝が居城する宮殿の門前に設置されていました。
螺旋線香につい見惚れてしまう会館内は休憩ができる椅子があり、その奥には祭壇が設置。頭上を仰ぐと見えるのは渦巻型の螺旋線香。いかにも中国らしいですね。
また、脇の通路を抜けると裏庭に出ることができます。龍の文様の壁画彫刻や盆栽などが庭を彩り、ちょっとした記念撮影のスポットとなっているので、そちらも見学しておきましょう。
道教の女神「天后聖母」をお参り
天后聖母が祀られているベトナムの寺院ではとりわけ深く信仰の対象となっているのが「天后聖母」という道教の神。道教の中では最高神で、海難事故から守ってくれると言い伝えられています。ハノイやホーチミンの中華系寺院でもよく祀られています。
一般客も参拝できるベトナムでは道教と仏教が1つの寺内に混在しているのが普通で、ベトナム人にとっては天后も仏教の一部とみなされています。
また、ベトナムは大乗仏教のため戒律が緩く、仏教徒でない一般の観光客でも自由に立ち入ることができるほか、御覧のように参拝も可能。入口傍では線香の売り子も多数いますので、線香を買って、祭壇であげることも可能です。
ホイアン市街散策の定番「福建会館」
今回紹介した福建会館は、どのガイドブックにも紹介されている人気のスポット。ガイドブックだとどのスポットも写真が一枚くらしか載っていないのでイメージがわきにくいですが、福建会館は他の会館よりも規模が大きめ且つ華やか。「廣肇会館」と両方、もしくはどちから一方を選ぶのがおすすめです。
＜DATA＞
名称：福建会館
住所：46 Tran Phu St.
営業時間：7:00～17:30
