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バンメトート市街地に建つ「ダクラック博物館」

ベトナムの中南部高原地帯バンメトート。中心市街地であっても素朴な田舎風情が漂う町で、ホーチミンやハノイとはまるで違ったゆるやかな風を感じることができます。そのバンメトートの市内観光では、何処へ行くのがおすすめなのでしょうか。

今回は「ダクラック博物館」をご紹介します。

アクセス

IMG_5390.jpg外観

ダクラック博物館がある通りは「レーユアン(Le Duan)通り」。町の中心に建つ戦車とビクトリーモニュメントのロータリーから続いている道の一つです。歩くと10分から15分くらいかかりますので、疲れている方は流しのタクシーを捕まえるのがいいでしょう。

都市部ではあまりに近いと乗車拒否をするタクシーも少なくありませんが、ここバンメトートではそんなトラブルは一切無用。どんなに近くとも(ワンメーター)でも必ず連れて行ってくれます。

敷地内は公園になっている

IMG_5388.jpgカフェで佇むカップル

ダクラック博物館のある敷地内は芝生が広がる公園になっています。公園とはいっても、日本のように遊具があるわけではなく、単純に緑の芝生とベンチがあれば、ベトナム人はそこを公園と呼びます。博物館傍にはオープンカフェも営業していて、現地人の憩いの場所にもなっています。

ダクラック博物館を楽しもう

IMG_5447.jpg館内の様子

まず最初に入場券を購入します。入場料は3万ドン/人(2017年12月現在)。日本円に換算すると約150円だから格安ですね。ベトナムの博物館の魅力でもあります。

ダクラック博物館の館内は複数のカテゴリーに分かれていて、「ダクラック省の歴史」、「ダクラック省の地質学」、「ダクラック省に暮らす少数民族の習慣」となります。ダクラック省はベトナム中南部にある高原地帯の省で、省都がここバンメトート。

ダクラック省の歴史を学習

IMG_5407.jpgベトナム戦争時の様子

歴史コーナーでは巨大な写真パネルが何十枚と展示されていて見ごたえがあります。ダクラック省には現在も野生のゾウがいて、古くから現地人はゾウと共に歴史を歩んできました。時には敵として戦うこともありました。また、時にはゾウと一体となって敵と戦うこともありました。バンメトートの歴史を語る上で、ゾウは欠かせない存在であるようです。

また、ベトナム戦争やフランス解放戦争では、多くの女性が戦場に出たのも特色の一つ。いまでもベトナム人は女性が強いと言われる所以です。

地理・地質学は非常に興味深い

IMG_5397.jpg貴重な出土品

地理・地質学コーナーでは、ダクラック省独特の地質や各地で見つかった出土品などを展示。ダクラック省はタイグエンと呼ばれる中部中南部高原地帯の一翼で、標高は500~600メートル。高原地帯は玄武岩と溶岩流で構成されているため土壌は赤褐色なのが特徴。この土地で栽培されるゴムやコーヒーは特産となっています。

少数民族の暮らしを垣間見る

IMG_5439.jpg日本人には興味深いことばかり

最後は少数民族コーナー。ダクラック省全体を見ると、およそ20の少数民族が点在しています。ただし、バンメトートとその周辺郊外をメインに構成するのはエデ族とムオン族、ムノン族、ザライ族などとなります。

IMG_5436.jpg少数民族の農具や生活用品

特にエデ族はいわゆるベトナム人がこの地に来る前の先住民でした。現在では一部のエデ族はベトナム人と積極的に交流したり、観光客に自分たちの文化、習慣を紹介したりしていますし、わずかですが、ベトナム人と結婚しているエデ族もいます。

IMG_5454.jpgお墓に建つ墓標のようなもの

こちらはエデ族のお墓の傍に立てるもの。家の玄関口でもよく見られます。死人の魂が死後の世界に向かえるようにという惜別の意味があるとのこと。裕福な家庭ほどこのモニュメントのレパートリーが多いようです。また、葬式では人々はダンスを踊り、伝統のお酒と食事を飲んだりして死者を弔うのも、日本の習慣とはまるで異なる一面です。

日本人だからこそ興味深く感じる博物館

筆者が訪れた感想としては、「日本人に是非立ち寄ってほしい」というもの。日本に住んでいると、自分たちが"民族"の一つであるという意識はまるでありませんね。少数民族の彼らの生活、習慣、伝統、言語はすべてベトナム人と異なります。それは日本人からすると異様。そして非常に興味深くもあります。是非、ダクラック博物館に足を運んでみてください。

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名称:ダクラック博物館(Daklak museum)
住所:12 Le Duan St.
営業時間8:00~16:00

著者プロフィール

著者写真

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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