ベトナム最新情報ブログ(現地在住ライターによるベトナムの記事)

昔のベトナムカフェを再現「コンカフェ」

ベトナムのカフェの歴史は古く、遡ればフランス統治時代となります。フランスの影響を色濃く受けたのは全土の中でも南部で、カフェ時代も南部が発祥といわれています。しかし、南部から徐々に北部へ広がり、北部でもカフェが日常と化すのにそれほど時間はかからなかったといいます。そして、芸術と政治の都と呼ばれる北部ハノイで文化形成されたカフェは、南部とは少し雰囲気が違う佇まいを見せています。

今回紹介するのは、そんな古きハノイのカフェを再現した「コンカフェ」。華やかな現代のカフェとは一線を画す内装にご注目ください。

アクセス

IMG_2622.jpgコンカフェの外観。緑が印象的

コンカフェはホーチミン市内に複数店舗ありますが、今回紹介するのは「リートゥーチョン通り店」。リートゥーチョン通りはレタントン通りと並行して走る大通りで、1日中車通りが多い道です。トンドゥックタン通りからベンタイン市場まで続いている長い道となり、コンカフェがあるのはそのリートゥーチョン通りとドンコイ通りの交差点。店舗は古い建物の2階にあり、1階は別店舗のレストランバーが営業しています。

IMG_1371.jpgアートが飾られている廊下を進んだ先

建物の脇にはアートセンターがあり、左右にはベトナム人の若手アーティストが描いた絵画がびっしりと並んでいます。その通路を真っ直ぐ進んで階段を上がると、同カフェの入り口が見えてきます。ちなみにこの絵画はすべて売り物。安いもので数千円から買えるものもありますので、一周見てみるのもいいかもしれませんね。

ホーチミンとは異なる古きハノイ時代

IMG_1457.jpg汚いようだが、実はとても清潔に作られている

コンカフェは2階建てで、階段を上がった2階部分はロフトのような作りとなっています。ベトナムの家々は長く木造建築でしたので、それも忠実に再現しています。とはいえ不潔さは一切感じませんし、愛想のいい親切なスタッフが対応してくれますし、高速WiFiも無料で利用することができます。席は1階でも2階でもどちらもおすすめ。また、テラス席もあり、そこから見下ろすドンコイエリアの光景もなかなか見ごたえがあります。

現地人に人気の「コンカフェ」で旅の計画を練ろう

IMG_1420.jpg外国人の姿もよく見える

ホーチミンのカフェと言えば、シャンデリアや華やかな電飾で飾られたラグジュアリーな高級カフェであったり、女子学生受けするようなかわいらしい内装のカフェが多いですが、ハノイのカフェはどことなく郷愁漂うような、そんな落ち着いた雰囲気が特徴です。

IMG_1390.jpg読書を一人でするならロフト席がいいかも

客層は比較的大人の年代層が多い様子。静かなBGMが流れる店内で仕事をしている外国人や、午後の日差しが差し込む中で談笑している奥様方などをよく見かけます。ドンコイエリアにあることから観光客も多く訪れます。朝一にここに訪れて、その日の観光の計画をコーヒーを飲みながら立てるのはいかがでしょうか。

ハノイらしさを感じる

IMG_1447.jpgカーテンやクッションなどあちらこちらに同じ絵柄が見れる

昔のハノイは店内の随所にうかがうことができます。店内のクッションやカーテン、電球の傘などに施されている赤いバラの絵柄。これは昔のハノイの象徴的カラーだったそうです。とはいえ、現在でもその名残は見られ、ハノイの旧市街では早朝に赤いバラを売る行商人が多く行き交ったり、カラフルな花束を売る花市もハノイ市内で毎日開催されます。

IMG_1755.jpgユーモアあふれる店員

そして店員もそう。店員が来ている制服はベトナム軍隊をイメージしたもの。もと北部ベトナム軍を意味します。昔のハノイをイメージした赤いバラの絵柄や店員の制服は、他店舗もすべて統一されています。スタッフは全員若く元気に溢れ、愛想よく接してくれます。

コンカフェ一押しメニュー

IMG_2227.jpgココナッツ&コーヒースムージー 65,000d

ベトナムではコーヒーは比較的男性の飲み物として支持され、女性の間ではミルクティーが近年のブーム。しかしコンカフェでは女性層にも人気の様子で、その秘密はまろやかかつほんのりと甘いココナッツにあります。写真上のココナッツ&コーヒースムージーは女性の中で一番人気のメニューで、ココナッツミルクの甘さがビターなコーヒーとマッチしています。通常のミルクコーヒーもおすすめコーヒーよりもフレッシュミルクの方が分量が多く、こちらも苦みより甘さが勝っています。

IMG_1525.jpgシナモン&オレンジティー 45,000d

コーヒーに続いてブレンド紅茶も人気メニューの一つ。紅茶自体はそれほどベトナムでは認知されていませんが、最近は若者の町の中心において英国式ティーを出すお店や、自分で紅茶の茶葉を選べるカフェなどが増えてきました。写真のこちらはシナモンとオレンジティーのブレンドティー。値段も日本円で約225円と安いです。これ一杯でいつまでも入り浸ることができるのもベトナムカフェの魅力です。

ホーチミン市内で人気のコンカフェへ行こう

旅行者はなかなか古きハノイをイメージできない人もいるかと思いますが、どことなくホーチミンの他のカフェの雰囲気とは異なるのは感じ取っていただけるはずです。最近はそれぞれお店独自のコンセプトを持つカフェが増えてきましたが、コンカフェはそのパイオニアといってもいいでしょう。時間があるときには、是非コンカフェに訪れて、コーヒーや紅茶を啜りながらくつろいでいってください。

<DATA>

名称:コンカフェ(Cong Caphe)
住所:26 Ly Tu Trong St. Dist.1
営業時間:7:00~23:00
予算:ココナッツ&コーヒースムージー 6万5000ドン、ミルクコーヒー 3万9000ドン、シナモン&オレンジティー 4万5000ドン

[local, 450, 327]

著者プロフィール

著者写真

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

カテゴリー別記事一覧

  • ベトナム さくっと 早わかり!
  • カンボジア さくっと 早わかり!