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カンボジアの香りを感じる。「オールドマーケット」

東南アジアではいまだ市街地でも息づくのが『市場』。スーパーやショッピングセンターという合理化の波にさらわれて、廃れていってしまっている都市も多々ありますが、シェムリアップはまだまだ現役で活躍中です。今回紹介する市場はシェムリアップの中心市街地にある「オールドマーケット」。現地人と外国人観光客が交差するように行き交う人気の観光スポットです。

アクセス

橙の屋根が特徴。遠くからでも見ることができる橙の屋根が特徴。遠くからでも見ることができる

場所はシェムリアップ中心繁華街であるパブストリート南方。同通りおよびシヴォタ通りを南に進んでいくと、川沿いに見える橙の屋根がある屋内市場がオールドマーケットとなります。日中はパブストリートと含めて観光客の姿はまばらですが、この通り沿いにはお土産店やアパレルショップ、マッサージ店などが並んでいるため散策もおすすめ。

小規模食堂が並ぶ小規模食堂が並ぶ

オールドマーケットからパブストリートへ向かう道には御覧のような食堂が並んでいます。2~5ドル程度でお腹いっぱい食べられる麺類や皿飯(ご飯の上に惣菜をのせた)が揃っています。レストランで食べるのとはまた違った雰囲気と味を楽しめるはず。旅気分を盛り上げてくれるので、一度立ち寄ってみて下さい。

カンボジアの人々の生活を垣間見る

生鮮食品エリア生鮮食品エリア

マーケット内はお土産エリア、生鮮・野菜食品エリア、そして食堂エリアにカテゴライズされています。ツアー団体客が物珍しそうに歩き見ている姿もあるように、すっかりと観光先として定着している様子です。食品エリアが賑わうピークは早朝から午前中にかけて。7時頃にはすでに多くの現地住民で賑わい、活気に満ちた空気で満たされます。午前も11時頃になると落ち着いてきて、売り子のおばちゃんたちが談笑をしているのどかな様子がそこかしこで見ることができます。

食堂の一コマ食堂の一コマ

食堂エリアの様子。麺料理を食べている人が多いようです。麺はクイティウという米粉で作ったものが主流。衛生面に少し心配があるので、ビギナー旅行者や子供は避けた方がいいかもしれません。ただし、こういうところで食べる料理はソウルフードと言われるように、彼らの生活の根底にあるものばかり。レストランにはない大衆料理もありますので、クメール料理を制覇したい方は、一度は試してみてもいいかもしれませんね。

お土産はここですべてが揃う

お土産店がひしめくエリア。売り子の掛け声も多いお土産店がひしめくエリア。売り子の掛け声も多い

お土産エリアには数百のお店が隙間なく並んでいます。生活雑貨エリアは現地住民しか来ないので売り子の呼び声もありませんが、こちらは別空間。英語やカタコトの日本語で「オニイサン(オネエサン)ミテイッテー」と次から次へと声をかけられます。基本は定価がありませんので、商品はすべて値段交渉が必要。また、まったく買う気がないのにむやみに手に取っていると、「手に取ったんだから買っていきな!」と怒られてしまうこともあるので注意も必要です。

木彫りの仏像はもはや東南アジア名物の土産木彫りの仏像はもはや東南アジア名物の土産

お土産エリアの中でも、小物雑貨店、洋服店、ベルト店、ジーンズのお店、生地のお店といった具合に細かく販売品によって店は区別されています。小物は御覧のような置物系が定番どころ。やたら凝ったものは少し注意が必要。カンボジアはかつて文化財や骨董品の国外への流出が多かったため、現在骨董品の類の輸出はできません。このようなお土産品はもちろん持ち帰ることはできますが、大がかりに凝ったものになると、お土産品およびレプリカである証明書のようなものが必要になることもあります。あまり気にされる必要はありませんが、お店経営者が店のインテリアなどに買っていく場合は、少し注意するといいでしょう。

露出は高めのものが多い露出は高めのものが多い

洋服はカンボジアのロゴがある通称クメールTシャツの他に、普段着として着れる洋服も揃っています。男性よりも女性ものが多く、とりわけワンピースやキャミソールなどが種類が充実しているので、夏服にちょうどいいでしょう。ほとんどの商品は品質表示のタグがないので洗濯の仕方は自分で確認するしかなく、色落ちや色移りしてしまう安物も多いので、最初に洗う際は注意してください。



値段は2ドル~5ドル程度が相場。たくさん買えばそれだけ値引きもしてくれるでしょう。自分が考えているより高値であれば、気の済むまで交渉して、値段が思った以上に下がらなければ他のお店に行くといいでしょう。同じ柄、デザインの服はどこでもあります。

多くのお店でも取り扱っているので、一つの店にこだわる必要はまったくない多くのお店でも取り扱っているので、一つの店にこだわる必要はまったくない

御覧のような小物、置物、刺繍が入った雑貨はとりわけ日本人旅行者に人気がありますね。「この小箱、何に使えばいいんだろう?」と一見首をひねるものも、不思議な魅力があります。それこそが雑貨の本質かもしれませんね。

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貴金属の注意点

市場内や周辺には真珠や金など貴金属を売るお店もたくさん見かけます。カンボジアやベトナムといった国では自国通貨の信頼が低いため、ドルや金などに財産を変換して残しておく習慣がいまもあるため、これらのお店すべてが偽物を売っているとは限りません。ただし、素人は貴金属や宝石類が本物か偽物かは判断がつかないため、よほどの理由がない限りの購入はおすすめできません。また、どうしても買う場合は、信頼できるお店を日系の旅行者会社やホテルから教えてもらうというのも手です。

<DATA>

名称:オールドマーケット(Old Market)
住所:Sangkat Sala Kamreuk Krong Siem Reap
営業時間:7:00~18:00(店によって異なる。遅い店で~20:00頃まで)

[local, 467, 466]

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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