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チョロン観光はここに行くべき!観光エリア周辺の仏教寺院

チョロンはベトナム最大の中華街。日本のそれとは雰囲気も町並みも異なり、古き良き中国の下町風情が漂うローカルな風景が続いています。チョロン観光では、主に市場散策や仏教寺院の見学が見どころとなります。そこで、今回紹介するのはチョロンのエリア内にある仏教寺院です。すべてを行く必要はありませんが、いくつかをピックアップして見て回ってください。

1、ティエンハウ寺

ティンハウ.jpgどのガイドブックにも必ず載っている王道スポット

ビンタイ市場から歩いて行けるティエンハウ寺は、天后聖母を祀っている寺院。1760年の創建で、ベトナムでは最古の中華寺院です。ガイドブックでもお馴染みで、日本人含む多くの外国人観光客が毎日訪れます。ここで祀られている天后聖母は「媽祖」。漁師が海に出る前に海難・厄除けに訪れることが一般的ですが、媽祖は女神でもあるため、普通の華人の人々も頻繁に訪れます。

ティンハウ (2).jpg中国人観光客も多い

ティエンハウ寺のもう一つの注目点が天井に吊るされた螺旋の線香。線香の煙が立ち込める香りと光景はまさに中華の大世界。また、観光客はこの螺旋線香に火をつけて天井に吊るす体験(有料)をすることもできます。観光らしいことをしたい方は、こちらも試してみてはいかがでしょうか。

住所:710 Nguyen Trai St. Dist.5.

[local, 299]

2、オンボン寺

オンボン.jpg日本人観光客にとても人気

ティエンハウ寺と比べると知名度は若干劣りますが、実際行った人の感想を聞くと、「こっちの方が見ごたえがあった」という意見が多数あります。「オンボン」とは幸福の守り神を意味し、現在では日々のご利益、商売繁盛、安産など万能の神様として人々に親しまれています。支柱に施された華やかな文様や装飾は中国らしく、日本では見られない様子です。

オンボン (2).jpg日本人客が多い理由。とても親しみのある絵画だ

オンボン寺には守り神を見学する以外にも、こちらを是非見学していってください。ご覧いただければ分かる通り、日本でもお馴染みの西遊記に登場する玄奘三蔵ご一行の様子が描かれた絵画があります。天竺から一行を見守る釈迦如来に、白馬に乗った玄奘三蔵。さすまたを携えた沙 悟浄に豚の人相をした猪八戒。そして如意棒を持った猿顔の孫悟空。興味そそる寺院となっています。

住所:264 Hai Thuong Lan Ong St. Dist.5.

[local, 301]

3、オンラン會館(温陵會館)

オンラン (1).jpg道教の寺院はベトナムならでは

華人の同郷の人々が建てた會館は、ここだけではなく、ベトナム全国に点在しています。有名どころでいえば中部世界遺産の町であるホイアンにはいくつも會館が建っていて、そこで暮らす華人が談笑している様子をいつもうかがうことができます。オンラン會館も似た目的で建てられていますが、現在ではすっかりと現地人が足繁く通う寺院となり、また外国人も頻繁に訪れています。

オンラン (2).jpg参拝をしてもいいが、日本式だと浮く

オンラン會館は道教の神である太歳星君を祀っています。太歳爺爺(たいさいやや)とは道教の神でありますが、実は守り神ではなく祟り神。かつて中国の人々は厄災から避けるために参拝していたと言われています。ここに参拝に来るベトナム人や華人がその由来を知っているか分かりませんが、なにしろ人が多いです。また、それ以外にも地母娘娘といった道教神話には欠かせない大いなる創造神も祀られています。

住所:12 Lao Tu St. Dist.5.

4、覚林寺

覚林寺.jpgホーチミン市内では永厳寺に続く人気の寺

覚林寺は1744年に創建。ホーチミン1区中心にある永厳寺と覚林寺の2つの寺院は、ベトナム人の学校の教科書にも掲載されるほどの由緒あるお寺。ただし、チョロンエリア内ではありますが、ビンタイ市場周辺ではないので、市場や上記で紹介したお寺から行く際は、タクシーで向かうことになります。敷地内は広く、芝生の広場もあるため、日中はお年寄りのおばあちゃんおじいちゃんが日向ぼっこをしている素朴な光景もうかがうことができます。

覚林寺 (2).jpgチョロンの目玉となる寺院でもあるが、少し距離がある

寺院敷地内左手には高くそびえる七十の塔を見ることができます。正面の参道を歩いた右手に大仏、さらに石段を上がると本堂が見えます。本堂内部には多数の仏教徒と僧侶がいますので、見学したい場合は僧侶の方に許可をとる必要があります。ただし、こちらもひっきりなしに外国人観光客が訪れるので、僧侶の方々も快く対応してくれるはずです。日中は仏教徒は本堂内で昼寝をしているので、邪魔にならないようにしましょう。

住所:118 Lac Long Quan. Dist.Tan Binh.

5、ヤックヴィエン寺

ヤックヴィエン寺 (2).jpgガイドブックにも時折掲載されているが、知名度はほぼ皆無

チョロン郊外、古い家々が軒を連ねる住宅エリアを入り、奥まった路地の先を進んだ先にあるヤックヴィエン寺。ダムセン公園のすぐ近くでもあります。観光客はあまり寄り付かない場所で、知る人ぞ知る穴場の仏教寺院。線香を作っている作業現場を見学したり、200年続くこの寺を代々守る家主と話すことができます。

ヤックヴィエン寺 (1).jpg小さな寺だが見ごたえは意外とある

本堂奥にはいくつもの仏像が祀られています。ヤックヴィエンとは創建した主の名前を由来にしているとのこと。家主に依頼すれば、説明もしてくれます(ベトナム語のみ)。マストで訪れる場所ではありませんが、時間に余裕がある方は、穴場の観光スポットとして押さえておいてください。また、周辺は外国人が寄り付かない素朴な町並みが続いていますので、お寺の見学前後に、周辺散策もしてみてください。新しい発見があるかもしれません。

住所:161/85/20 Loc Long Quan St. Phuong 3 Dist.11.

チョロンで寺院巡り

もしここで紹介した寺院を回るのであれば、覚林寺とヤックヴィエン寺以外はすべて徒歩で回ることができます。ビンタイ市場を拠点にするならば、傍にシクロが止まっているので、シクロで散歩するのもいいでしょう。覚林寺とヤックヴィエン寺はタクシーで行くことになります。時間に余裕がある方は、こちらもおすすめです。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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