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フーコック島のヌクマム工場に潜入!

ヌクマムといえば、魚を発酵させたベトナム特有のつけダレ。ベトナム料理には欠かせない調味料で、料理の際の味付けにも使われます。そのヌクマムはベトナム全国にいくつかの産地を持っていますが、フーコック島は、その中でも最も高品質のヌクマムが作られているといわれています。

今回は、そのヌクマムを製造している工場を見学したいと思います。

フーコック島のヌクマム工場

IMG_0593.jpg港側か、通りの奥まった場所に工場はある

ヌクマム工場は、フーコック島においては観光スポットの一つとなります。島内ツアーでもヌクマム工場は必ずといっていいほど含まれている定番名所でもあります。フーコック島にはいくつかの工場があり、いずれもツアーではなく個人での見学も可能です。特に予約をする必要もありません。タクシーで運転手に伝えればいいほか、市街地に複数の工場があるので簡単に行くことができます。

ヌクマム工場を見学

IMG_0578.jpg大樽が並ぶ工場内はヌクマムの香りで充満している

ヌクマムはその独特な香りが苦手な方もいますが、ベトナム料理には欠かせない調味料です。タイでもナンプラーと呼ばれる発酵ダレがあり、味も香りも似ていますが、素材に使っている魚介が異なります。素材の魚はいくつかありますが、「カーコム(Ca Com)」と呼ばれる小魚が一般的に使われています。使うのはこの小魚と塩のみ。約12カ月間塩漬けした小魚を発酵させるだけです。

工場には写真のように高さ2m50ほどある大樽が並び、そこからチューブが伸びて大きなバケツにそそがれます。

IMG_0579.jpgツアーではヌクマムができる過程を説明してくれる

ヌクマムの特産地としては、フーコック島やファンティエット、中部地方が挙げられますが、その中でもフーコック島で作られるヌクマムは品質が高く、特に濃度45%以上のものは最高品質と言われています。一般的に濃度が40度以上だと、そのまま液ダレとすることはできないため、調味料として数滴垂らして味を付けます。
逆に40度以下の場合は、レモン汁やニンニク、唐辛子をいれてつけダレにします。

ヌクマムをお土産に

IMG_0589.jpg工場には必ず売店が併設している


見学者は工場に併設している売店でヌクマムを購入することができます。ここでヌクマムを数十本と購入していくベトナム人旅行者も多いようです。ただし、注意点があり、それは「飛行機で持ち込めない」ということです。ヌクマム特有の匂いのせいで、ヌクマムは預け荷物であっても飛行機に持ち込むことはできません。ですので、ここで買ったヌクマムは船でホーチミンに運んでもらうことになりますので、規定本数以上を購入しなければならないほか、受け取れるまで日数がかかります。

IMG_0588.jpg箱買いしていくベトナム人たち

ヌクマムで気軽にベトナム料理

IMG_0584.jpg自分の台所に一本置いておきたい

ヌクマムは麺、ご飯、野菜、魚介、肉類とすべての料理に使うことができます。調理で使う場合は、フライパンで材料を炒めるときに数滴垂らして使いますが、熱すると香りが非常に強いので、必ず換気扇を回してください。また、つけダレで使うときは、一般的に刻みニンニクやレモンを混ぜて使います。それが面倒な場合は最初から加工されているヌクマムを買いましょう。

IMG_0592.jpgマム・ネム・カー・コム

ヌクマムとはまた違ったつけダレ。小魚も食べることができます。匂いと味のクセはヌクマム以上ですが、一度はまると病みつきになります。

ヌクマムを購入するときは、ラベルに注目ください。ラベルには必ず産地と濃度が表記されています。ヌクマムをお土産に購入する際はフーコック産がおすすめです。また、前述したとおりフーコック島内で買ったヌクマムは飛行機に持ち込むことができませんので、買うのであれば、ホーチミンなど本土で買うことをおすすめします。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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